愛着の傷とは… なぜ自己肯定感が下がるのか。

愛着障害

愛着障害について、前期にてお話をさせていただきましたが
具体的に、どのようにして愛着の傷というものができるのか・・・。

この記事では、説明します。

愛着に傷がつく原因

愛着に傷がつく原因としては、さまざまなものがありますが
主に、4つに分けて説明したいと思います。

  • 自分は嫌われているという、思い込みを持ってしまう
  • 条件付きの愛情で育てられた経験がある
  • 愛着対象の喪失
  • DV、トラウマを持ってしまっている。

自分は嫌われているという、思い込み

日本では、しつけと称して罰を与える
という教育が 常識として昔から行われてきました。

いい子にしていないと、相手にしてもらえない
ご飯を上げない、家から閉め出す など
このようなことが、躾として行われることが、一般的に行われてきました。

現在では、安全の懸念もあり
こういったことはあまり見かけませんが、
躾とは、罰を与えるもの という思想はいまだに根強くあると思います。

子供は、親から見捨てられると生きていくことができないため
それは死の恐怖として植え付けられます。

いい子にしていないと、親に捨てられてしまい
死んでしまうことになる。


その思想を繰り返すことで、自然と


いい子でいない自分には生きる価値がない

        ⇓

自分の生きたいようには、生きてはいけない

という思考を無意識に植え付けてしまうのです。

条件付きの愛情

条件付きの愛情とは 前期でも説明したような

”いい子でなければ お前はいらない” 

ととらえられてしまうような躾です。

そのほかに、親の気分によって 
良い、悪い、の判断が変わってしまうような状況でも起きやすいとされています。

例えば、成果をほめてほしい、見つけたものを見てほしいなどで
親から注意を引こうと子供がしたときに

親が機嫌がいいときは、ほめてもらえる 相槌を打ってもらえる

しかし、親の機嫌が悪いときは
今忙しいからやめて 一人で遊んでて

などと拒否をしてしまう、ということです。

大人からすれば、タイミングが悪かったのだ、となんとなく割り切ることが
できるかもしれませんが、子供はそうもいかないのです。

そういった突然の拒否が繰り返されることで
自分に原因があるのではないかと考えたりします。

また、常に自分を受け入れてくれるところなどないのだという思い込みが
無意識化に植え付けられることになります。

愛着対象の喪失

愛着対象の喪失も大きな問題として取り上げられることが多いです。

具体的には、親の離婚 死別 がこれに当たります。

大人にとっても小さなことではありませんが、
ある程度、理解をして割り切ることもできるでしょう。

子供にとっては理解をするのも難しく、
理解ができたとしても、割り切ることは子供には難しく、大きな負担となります。

そのため、多くの場合でトラウマとして残ってしまうのです。

この場合、愛着対象になった相手はいずれいなくなってしまうもの
という思い込みが無意識に根付いてしまい

人に近づけなくなってしまったり、
逆に愛着対象を多く作る、といった行動に出ることもあります。

DVなどによる トラウマ

DVも多くの場合で、愛着に傷を負わせます。

自分で受けてしまう場合はもちろんですが
親通しの喧嘩や、DVを見てしまうという場合でもトラウマになります。

DVを見せられる状況を、面前DVといいますが
自分が受けるDV以上にトラウマになりやすいとも言われています。

この場合では、人の怒鳴り声や大きな音に 過剰な恐怖を感じたり
男性恐怖症、女性恐怖症といった精神状況になりやすいといわれています。

それぞれの共通点

全体で共通していることは
自分の安全が保障されていないという思い込みが植え付けられてしまうということです。

偏った形での愛され方、愛情の感じ方になってしまったため
自分そのものが愛される という感覚を得られずに大人になってしまったということです。

何かがあったら、自分はすぐに捨てられてしまう
安全が脅かされても仕方のない存在である

その常にある思い込みが、無意識で常にあるため

  • 周りがみんな自分を嫌っている気がする。
  • 何をやってもうまくいかない、うまくいくはずがない

そういった気持ちに陥ってしまうことがあります。

ひどい場合には、希死念慮として表れてしまうので
特に理由もなく死にたくなってしまう、といったことが起きるのです。

しかし、その思い込みをさせているのはあくまで自分自身であるということに
自分で気づくのは非常に難しく、なかなか気づくことができないので
この問題は非常に、解決がしずらいのです。

もし、あなたがこういったことに思い当たることがあるようでしたら
カウンセリングをうけたり、インナーチャイルドワークをやってみることをお勧めします。

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