書籍紹介 -恋愛依存症- 伊東明 著

書籍紹介

Amazon.co.jp: 恋愛依存症 eBook : 伊東 明: 本

今回はこちらの書籍を紹介します。
自分が心理学に興味を持つきっかけになった本です。

恋愛依存症とは

恋愛依存症とは、偏った恋愛の仕方になってしまうため
恋愛がうまく進ませることができなくなってしまうような症状を言います。

※正式な病名ではないため、病院で保険が使えたり、薬が処方されるといったことにはなりません。

主に、愛着障害に関する恋愛への影響について書かれています。
心理学用語があまり使われていないので、比較的読みやすいのではないかと思います。

様々な、依存形式

本書では、大きく分けて4つの観点に分けて、話をしています。

  • 共依存
  • 回避依存
  • ロマンス依存
  • セックス依存

共依存

大きな特徴として、

誰かに必要とされることを必要としてしまう
ということがあります。

そのため、自分を必要としてくれそうな
いわゆるダメっぽい人・・・に、惹かれがちになります。

※わかりやすく言うと、3B・・・(バンドマン、バーテンダー・・・あと一つは思い出せません)
のようなものでしょうか?(3Bという書き方は本書ではしていません。)

自尊心が、低く居場所を必要としてしまうためです。
中には、

働きもしない相手を家に置いて養い続けたり、
お金を与え続けたり
モラハラ、DVなどで、ストレスのはけ口として、自分を相手に使わせたり

そういったことをしてしまいがちになってしまいます。

回避依存

恋愛をする相手はほしいが
相手にすべてをさらけ出すことは、決して出来ない。

そのため、

相手を利用したり
支配しようとしたり
いきなりすべてを投げ出して、いなくなってしまう。


といった、行動に出てしまいます。

DVをしがちになっていまう人も、回避依存が原因ではないかといわれることもあります。

上辺だけの付き合いであれば、問題は出づらいのですが
本心からの付き合いがうまくいかない、ということです。

相手に近づきたい気持ちと近づくにつれて離れたい気持ちがせめぎあうようです。

ロマンス依存

恋愛をしているときに、
脳内で分泌される幸福ホルモンによる依存状態(フェニールエチルアミン)

しかし、
同じ相手では、いつまでも幸福ホルモンは出づらいため
より刺激の強い恋愛を求めて、次々と相手を変えていってしまいます

実際は、鬱傾向などが強い人がなりやすく
脳を興奮状態にすることによって、鬱傾向をごまかそうとしている
という側面もあるようです。

セックス依存

強迫的に、セックスを追い求めてしまう状態

借金
不倫
周りからの評価の悪化

といったことにつながる。

リスクを冒してまでもやめられないほどになってしまうことも多く、
実害が非常に大きくなりやすい、という側面があります。

セックス依存、という言葉から
俗的な興奮を駆り立てるためのキャッチコピーのようなイメージを持たれやすいことに
本書の筆者は非常に懸念を示しています。

実際に、外国では深刻なものとしてのイメージも広まっているようです。

過剰なストレスからの解放
生きている実感がセックスでしか得られない
トラウマを抑えるための再行動

などが、原因になります。

快楽を得るため、というよりは
苦しみから一時的に逃れるため
ということが、動機につながってしまうため、抜け出すのが難しいようです。

本書を読んでみて

非常に面白い本でした。
まるで、ディープなドラマのようなタイトルとカバーをしている。

内容的には、実例がストーリー仕立てで小説のように書かれている。
登頂人物たちの苦悩がヒシヒシと文章からリアルに感じられ、
恋愛依存症というものの深刻さがよくわかる。

今までのイメージとしては、
恋愛依存症と聞けば単純に恋愛体質な人、もしくは相当の遊び人な人
といった、恋愛から離れられない人、というイメージだった。

実際は、偏った形での恋愛の仕方しかできず
恋愛をうまく進める人ができない人、ということがこの本では定義されている。

特に印象的だったのは、回避依存というものがあることだった。

相手に近づきたい、という気持ちは有るものの
心理的距離が、ある一定から近づけることができなくなってしまう人がいるというのだ。

その結果、突然脱走するようにいなくなってしまったり。
急に豹変して癇癪を起したり・・・
私はそのようなことを体感することはありましたが
なぜそうなるのかがずっと理解できず、不可解でした。

本書を読むことで、少しは理解が進んだかもしれません。

本書を進めたい人

  • 上記の内容を読んで自分や恋人がこれに当てはまるのではないか・・・と思った人。
  • 恋愛がうまくいかない人
  • 愛着障害関連の心理学に興味がある人
  • 人との距離感がうまくつかめない人

こういった方には、非常に役立つのではないかと思います。
よろしければ、一読してみてはいかがでしょうか?

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