回避型愛着障害との恋愛に困った方へ、対処法と回復方法を解説

恋愛

回避型愛着スタイルを持った人は、パートナとしてはどうしても魅力的に映ってしまいます。
しかし、回避型は不安定になりがちで
付き合っていくうえで困難にあってしまうことも非常に多いです。

今回は、そのような回避型愛着スタイルとの恋愛に困難を抱えてしまった方へ
回避型の恋愛の考え方や、対処法
また、回復に向けてのプロセスの提案、解説をさせていただきます。

しかし、回避型は多くの場合で他人との心意的距離を詰められない状態であり
対処法をうまく行っても、上手くいかないこともあります。
それでも最善を尽くしたいと思われる方は、ぜひとも参考になさってください。

回避型の全体的な思考については、以前の記事で解説しております。
こちらも併せてご覧ください。

回避型愛着障害の恋愛

回避型は恋愛になると、最初は優しく丁度いい距離間で関係を築くことができます。しかし、心意的距離が近づくにつれて
段々と距離を取るような行動がみられてきます。

  • 連絡が少なくなる
  • 返事がはっきりとしない
  • 浮気などに走る

こういった行動は、脱走行為と言います。

脱走行為は、回避型自信のトラウマや心の傷によって、だれかと心意的距離を近づけに、無意識に恐怖を感じてしまうことが原因で引き起こされます。

相手に脱走行為を抜け出してもらうには、相手の心を刺激しないようにし、段々と心の傷を癒していくということが必要です。

以下の4ステップにて解説していきます。

  1. 相手の行動に自分の感情が引っ張られないように、境界線を張る
  2. 相手を刺激しないように、すべてを受け止める安全基地(セキュアベース)を目指す。
  3. 相手回避行動を少しずつ自覚させる
  4. 回避行動の原因となる心の傷を癒す(カウンセリング、セルフセラピーなど)

一つずつ解説をしていきたいと思います。

相手の行動に感情が引っ張られないように、境界線を張る

境界線とは、相手は相手、自分は自分という考え方です。
以前の記事でも詳しく解説しましたので、ご覧ください。

回避型は脱走行為を行うことで、相手を振り回そうとします、
しかし振り回されることでさらに状況が悪化したり
お互いメンタルを消耗して破綻しやすい状況です。

まずは、お互いが消耗しないように、冷静になり客観的に考えるようにしましょう。
また、境界線を引きこちらが冷静になることで、
回避型の相手に冷静さを取り戻させる効果も期待できます。

境界線を引く上で必要な3つのことがあります。

  • 相手の行動を客観視する
  • 自分の行動を客観視する
  • おちついて距離を置く

詳細を下記にて解説していきます。

相手の行動を客観視する

まずは、感情に流されずに相手の行動を客観視しましょう。
行動と事実だけを観察し、自分の感情と切り離して確認することが大切です。

回避型のパートナーに回避行動の理由を聞くと
相手のせいにしたり、周りの人や状況のせいにしてみたり
といった行動が多く見られると思います。

しかし多くの場合で、よく考えると原因や理由に正当性がないことが多いです。

”忙しいので連絡が返せない” → 長時間返してない、そんなに忙しそうでない

”相手に不満があったから浮気をした” → 話し合うという選択肢はとれないのか

上記のように、冷静に考えてみるとこの程度の原因でこんな行動に移るだろうか・・・といった具合に動機としては不十分であったり言葉の内容が支離滅裂になってしまったりします。

そういったことが起きていないか
自分ことは一旦おいておき
相手の行動のみを客観視しましょう。

自分の行動を客観視する

自分の行動が、感情に振り回されていないか客観視しましょう。

回避型に惹かれてしまう人は、回避型の脱走行為に振り回されてしまいがちです。

回避型が振り回すような行動に、感情が振り回されしまうことで
咄嗟に謝ってしまったり、相手を追い回すような行動をしてしまいがちです。

感情で追いかけてしまうと、泥沼状態に入ってしまいます。
回避型を追い詰めてしまう結果になってしまったり、自身が消耗して破綻してしまったりしまいます。

自分が感情によって突き動かされていないか、常に一呼吸おいて客観視をする必要があります。

相手も自分も責めず、落ち着いて距離を置く

お互いの境界線を守りながら過ごすことで、落ち着いて過ごすことができます。
回避型にとって心地の良い距離を取ることによって、回避行動を起こさないように過ごすことができます。
回避型を相手にしていると、どうしても不安を煽られがちになってしまいますが、時間をかけて心地の良い距離を保ち続けることで、心意的距離が近くなることに徐々に慣れていってもらいましょう。

また、もし客観的に考えられなくなったり
どちらかが、相手を責めるようなことがおこったら
感情に流されてしまっている証拠です。

境界線を意識して、落ち着きを取り戻すようにしましょう。

相手を刺激しないように、すべてを受け止める安全基地(セキュアベース)を目指す。

回避型はいつも冷静で、メンタルが強そうに見えます。
しかし、実際は非常にストレスに弱くメンタルも強くありません
つらいことに耐えられずに感情や記憶ごと消してしまう追いつめられることを極端に嫌がるといった特性があります。
脱走行為は、ストレスに弱いことから起きてしまうのです。

回避型との恋愛関係を長く維持するには、脱走行為を克服してもらう必要があります。
脱走行為を抑えるには、回避型の深層心理に ”心理的な安全” を作る必要があります。

安全基地とは、
自分はここにいても良い という
自己肯定感の基礎になるようなものです。

いい自分でも、悪い自分でも
優秀な自分でも、何もできない自分でも
自分はここにいてもよい

そういった、自分を認められる確固たる感覚や、それをくれる人のことです。

本来は、幼少期に親などを通してもらうべき感覚なのですが
回避型などの愛着障害を持ってしまった人は安全基地を持てずに大人になってしまっています。

そのためにまずは、
相手に、この人は絶対に自分を傷つけないという信用をしてもらうことが必要です。

具体的には、以下のような内容です。

  • すぐ否定しない
  • 適度に共感する
  • わがままを聞いてあげる
  • 相手を追い詰めない

どのくらいの期間で信用してもらえるかは人によって変わりますが
かなり長い時間がかかることが予想されます。
1年以上はかかるでしょう。

相手の回避行動を少しずつ自覚させる

回避型の回避行動は、大体自覚がありません
自分自身の弱さを隠すための行動であるため
つらいことごと頭の中から消し去ろうとする回避型にとっては
非常に認めずらい内容なのです。

  • あの時は仕方がなかった
  • あなたが追いつめるからそうした
  • そうするのが一般的、普通だ

などと、原因は自分ではなく周囲である、と主張するのが特徴的です。

安全基地を築くことができたら
少しずつ、どうして回避行動をしてしまうのか、ということを
ゆっくり聞いていきましょう。

こうしたことを、繰り返すことで
回避型も自分の回避癖に気付くことができる可能性があります。

しかし、あくまで追い詰めないようにしないといけないので
非常に時間がかかります。

回避行動の原因となる心の傷を癒す(カウンセリング、セルフセラピーなど)

回避行動自覚できるようになったら
なぜそういった行動が起きてしまうのか、といったことがが考えられるようになります。
心の傷は、まず自覚をすることが回復の第一歩です。
自覚ができたらほとんど回復している、と言われることもあるくらいです。

そのように、少しずつ自分と向き合うことができれば
カウンセリングを受けたり、本などでセルフセラピーを行うこともできるようになります。

自分を癒すことができるようになれば
周りの人や、パートナーとの関係をよくしていくことができるようになるでしょう。

セルフセラピーに関して本を2冊ほどお勧めしています。
こちらの記事もご覧ください。

最後に

以上が、回避型に対しての対処法と回復方法になります。
正直にいって、とても大変な道のりだと思います。

回避型との恋愛が、一般的にはあまり勧められないことも
これだけの難易度があることだからと言われればうなずけます。

しかし、見限ってしまうというのもまた、非常に酷な話だと思います。
また、そんな簡単に諦められるものでもないでしょう。

最近の研究では、回避型の愛着障害を示す人は非常に増えているといいます。
その原因ははっきりとはしていませんが、現代がそれだけ生きずらい物になっているということの
ある種のバロメーターになっている気がしてなりません。

もし、そうであるならば
回避型人類をもう一度、人のぬくもりの中に戻ってこれるようにすることは
人間社会をもう一度幸福なものに、するためには必要な事ではないかと考えています。

決して簡単なものではありませんが、
何かの参考になれば幸いです。

皆様が、楽に生きることのお役に立てれば幸いです。

※参考文献

ネオサピエンス 回避型人類の登場

Amazon.co.jp

愛着障害 子ども時代を引きずる人々

Bitly

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